営業の基礎問題(利益編 13)

第1問: あなたは大手製造業の経営層です。 現在、競争が激化している市場で自社のシェアは伸び悩んでおり、また、業界全体でデジタル化の進展が急速です。自社の製品は高品質であるものの、製造工程が手作業中心であり効率が悪いため、コストが高くなりがちです。このような状況で、デジタル化や自動化を進めるべきか、それとも既存の製品を改良して価格競争に参加するべきか、経営層としての決断を下さなければなりません。

この状況において、経営層として最も適切な対応はどれか?

A. デジタル化や自動化を進めて、長期的にコストを削減し、競争力を強化する 

B. 価格競争に参加し、即効的に市場シェアを拡大する 

C. 既存の製品に焦点を当て、価格を大幅に下げて市場シェアを拡大する 

D. 高品質の製品に特化し、プレミアム価格で差別化を進める

正解: A. デジタル化や自動化を進めて、長期的にコストを削減し、競争力を強化する

解説:デジタル化や自動化は、長期的な視点で見た場合、コスト削減や生産性向上を実現し、最終的には市場での競争力を強化する重要な戦略です。 

価格競争に参加すると、短期的には売上が増えるかもしれませんが、利益率の低下を招き、最終的にはブランド価値が損なわれるリスクがあります。 

デジタル化を進めることで、効率化とコスト削減が可能となり、競争力のある価格設定が可能になります。

  第2問:  あなたは大手小売業の経営陣です。近年、消費者の購買行動がオンラインにシフトし、店舗型ビジネスが縮小しています。また、若年層を中心に環境意識が高まっており、サステナブルな商品や企業活動が注目されています。あなたの企業は、主に物理的な店舗販売に依存しており、オンライン販売が十分に強化されていません。この市場変化に対応するため、どのような戦略を取るべきか、経営陣として決断を下さなければなりません。この状況で、経営層として最も適切な対応はどれか?

A. 物理店舗を縮小し、オンライン販売を強化して新たな市場に対応する 

B. 現状の物理店舗を維持しつつ、オンライン販売は補助的な位置づけにとどめる 

C. サステナブルな商品ラインを強化し、環境意識の高い消費者層をターゲットにする 

D. 新しい業態に進出し、物理店舗とオンラインの両方を拡充する

正解:A. 物理店舗を縮小し、オンライン販売を強化して新たな市場に対応する

解説:消費者の購買行動がオンラインにシフトしている中、オンライン販売の強化は今後の成長に不可欠な要素です。物理店舗が縮小する一方で、オンラインショップやeコマースの拡大は、若年層を中心に需要が急増しています。サステナビリティも今後の競争力を高める要素となり得ますが、オンラインシフトを進めることが最も効率的で長期的な成長を見込める戦略となります。

 第3問 

あなたはグローバル展開をしているIT企業の経営陣です。現在、国内市場は成熟期に入り、成長が鈍化しています。一方、海外市場、特にアジア地域では、急成長している国々があり、競合他社が先行しています。しかし、海外進出には法規制や文化の違い、政治的リスクが伴い、進出に慎重になるべきという意見もあります。経営陣として、海外市場への進出についてどのように決断すべきかが問われています。この状況で、経営層として最も適切な対応はどれか?

A. 海外進出を積極的に進め、アジア市場の急成長に乗り遅れないようにする 

B. 海外市場への進出は慎重に行い、まずは現地のパートナーとの提携や現地法人設立から始める 

C. 国内市場の強化に注力し、海外進出は現時点では見送る 

D. 海外進出を完全に拒否し、国内市場における差別化を進める

正解:B. 海外市場への進出は慎重に行い、まずは現地のパートナーとの提携や現地法人設立から始める

解説:海外進出には多くのリスクが伴いますが、慎重に進めることが最も重要です。現地パートナーとの提携や現地法人設立を通じて、現地市場に対する理解を深め、リスクを軽減することが賢明です。急成長している市場に乗り遅れることなく、リスクを管理しつつ、進出を成功させるための戦略的なアプローチが求められます。

長期的な視点で企業の方向性を決定するために必要な戦略的判断を問う内容です。どれも慎重なリスクマネジメントと、将来的な成長に向けた投資判断が求められます。

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営業の基礎問題(利益編 12)

 第1問

あなたは中堅企業の経営陣の一員で、会社の成長戦略を議論しています。最近、業界内で急成長している競合他社があり、その企業は価格を極端に低く設定し、市場シェアを急速に拡大しています。 一方、あなたの企業は高品質な製品とサービスを提供しており、顧客満足度は高いものの、価格が競合他社よりも高くなっています。 経営層として、今後の価格戦略をどのように進めるべきか、意思決定を求められています。この状況で、経営層として最も適切な対応はどれか?

A. 競合他社に合わせて価格を下げ、市場シェアを拡大する 

B. 自社の製品・サービスの品質をさらに強調し、価格以外の差別化要因をアピールする 

C. 新たに低価格製品を投入して、競合他社と価格で競り合う 

D. 競合他社との価格競争に巻き込まれないように、価格戦略を変更せず、現状維持を続ける

正解:B. 自社の製品・サービスの品質をさらに強調し、価格以外の差別化要因をアピールする

解説:価格競争に巻き込まれることは、短期的な市場シェアの拡大にはつながるかもしれませんが、利益率の低下やブランド価値の低下を招くリスクがあります。自社の高品質な製品や優れたサービスを強調し、顧客が価格だけでなく品質や価値を重視する理由を明確に伝えることが、持続可能な競争優位性を築くための重要なアプローチです。

  第2問

あなたは企業の経営層の一員として、今後の事業戦略を策定しています。 現在、あなたの企業は安定した売上を上げており、業界内でも一定の評価を得ていますが、成長率が鈍化しています。経営陣としては、次の成長のためにどのような戦略を取るべきかを議論しています。 経営資源としては、営業リソースと資本が限られており、大規模な投資や事業拡大は現実的ではありません。この状況で、経営層として最も適切な成長戦略はどれか?

A. 既存の製品やサービスの改良を行い、現状の市場での競争優位性を強化する 

B. 新しい市場に進出するために大規模な資本投資を行い、リスクを取ってチャレンジする 

C. 自社の製品やサービスを一部切り捨て、よりニッチな市場に特化する 

D. 買収や提携を通じて、新たな事業領域に進出する

正解 : A. 既存の製品やサービスの改良を行い、現状の市場での競争優位性を強化する

解説:限られた経営資源を活用する場合、大規模な投資やリスクの高い新市場進出は慎重に検討するべきです。 最もリスクを抑え、かつ安定した成長を目指す方法は、既存の製品やサービスの改良を通じて、現市場での競争優位性を強化することです。これは、リソースを最適に活用しながら、売上や利益を安定的に拡大する戦略となります。

 第3問 

あなたは製造業の経営陣の一員で、会社の事業戦略を再評価しています。近年、業界全体で環境規制の強化やサステナビリティの要求が高まっています。 このため、自社の製造工程や製品に対しても、環境に配慮した取り組みが求められています。一方で、環境に優しい製品や製造工程には、短期的なコストがかかるというデメリットもあります。この状況において、経営層としてどのような方針を打ち出すべきかが問われています。この状況で、経営層として最も適切な対応はどれか?

A. 短期的な利益を重視し、環境規制に従う程度で最小限の対応をする 

B. 長期的な視点で環境配慮型製品を強化し、競争優位性を高める方向に舵を切る 

C. 現状維持で、環境規制に適合しつつもコスト増加を最小限に抑える 

D. 環境規制に対応するための大規模な投資を行い、業界をリードする企業を目指す

正解:B. 長期的な視点で環境配慮型製品を強化し、競争優位性を高める方向に舵を切る

解説:環境規制やサステナビリティは、単なる規制対応ではなく、競争優位性を高めるチャンスとして捉えるべきです。長期的に見て、環境配慮型製品や製造工程の強化は、企業のブランディングや差別化に大きく寄与します。短期的なコストをかけることは必要ですが、長期的にはこれが市場での競争力を強化し、企業の成長を加速させることに繋がります。

これらの設問は、長期的な視点や戦略的な意思決定を重視した内容です。企業の方向性を決定する際に重要な要素が多いため、単なる数値的な判断ではなく、企業の持続可能な成長を見据えた判断が求められます。 

営業の基礎問題 (利益編 11)

 第1問

あなたは新しいITサービスの営業担当です。顧客(大手企業)は、現在使用しているシステムが老朽化しており、更新を検討しています。あなたの提供するサービスは、非常に高機能で最新のテクノロジーを活用しており、将来的には顧客の業務効率化やコスト削減にも寄与できると確信しています。しかし、初期導入費用が高いため、顧客は「まずは小規模で試験的に導入し、効果を確認してから本格的な導入を決定したい」と言っています。  この商談を成功に導くために、最も効果的なアプローチはどれか?

A. 初期費用を少しでも下げるために価格交渉に応じる 

B. 小規模導入を提案し、その後の拡張性を強調して顧客に長期的な価値を提供する 

C. 初期導入をフルスケールで提案し、顧客にリスクを取らせる 

D. 顧客の予算内に収めるために機能を一部削減する

正解: B. 小規模導入を提案し、その後の拡張性を強調して顧客に長期的な価値を提供する

解説:顧客は初期導入費用が高いため、小規模で試験的な導入を希望しています。この要求に応じることで、顧客のリスクを最小化し、製品の効果を実証することができます。 

その上で、拡張性や将来的なコスト削減効果、業務効率化に焦点を当てた提案を行い、長期的な利益を実感させることが重要です。 

単に初期費用を下げるのではなく、価値の提案をしっかり行うことで、最終的に顧客が大規模導入に踏み切る可能性が高まります。

 第2問 

あなたは製造業向けの高度な生産管理システムの営業担当です。顧客(中堅製造業)は、現状のシステムでは生産効率が低く、長期的にはコストがかかりすぎていると感じています。あなたの提供するシステムは、高機能でコスト削減に貢献するものの、初期導入費用が他社製品よりも高いという点がネックになっています。顧客は現在のコスト構造を見直しており、短期的な費用削減が急務ですが、将来的なコスト削減も求めています。このような状況で、顧客のニーズに最適に応えるアプローチはどれか?

A. 価格交渉に応じて即座に導入費用を下げる 

B. 初期費用を抑える代わりに、長期的なROI(投資対効果)を強調し、システム導入後の利益を詳細に説明する 

C. 短期的なコスト削減を優先し、機能を制限した安価な製品を提案する 

D. 価格面で譲歩し、最初の1年間のサポートを無料にする

正解:B. 初期費用を抑える代わりに、長期的なROI(投資対効果)を強調し、システム導入後の利益を詳細に説明する

解説:顧客は短期的な費用削減を求めていますが、将来的な利益やROIも重視しています。そのため、単に価格を下げるのではなく、システムが提供する長期的なコスト削減効果や利益を強調することが重要です。ROI(投資対効果)を数字やデータを基に具体的に説明することで、顧客は初期費用が高くても、将来的に大きな利益を得るという認識が高まり、最終的な契約に繋がりやすくなります。

 第3問

あなたは新興企業向けにクラウドサービスを提供している営業担当です。顧客(新興企業)は、ビジネス拡大に向けて新しいITシステムを導入したいと考えています。あなたのクラウドサービスは非常にスケーラブルで、成長するビジネスに合わせて後からでも柔軟に機能を追加できる点が強みです。しかし、顧客は初期投資を抑えたいと考え、低価格のサービスに興味を示しています。顧客は予算に制約があり、価格が決め手になりそうです。この商談を成功させるために、最も効果的な戦略はどれか?

A. 価格を大幅に割引して、低価格で提供する 

B. 初期費用を抑えつつ、将来的な拡張やサポートにフォーカスし、長期的に優れたROIを提供する 

C. 顧客の予算内で収めるため、機能を削減した安価なプランを提案する 

D. 競合他社と比較して価格を強調し、自社製品を安価に見せる

正解:B. 初期費用を抑えつつ、将来的な拡張やサポートにフォーカスし、長期的に優れたROIを提供する

解説:顧客は予算が限られているため、初期費用を抑える提案が求められますが、長期的な価値を理解してもらうことがカギです。クラウドサービスの強みであるスケーラビリティや拡張性を強調し、将来的にビジネスが成長した際に大きな利益をもたらすことを説明します。初期費用を抑える一方で、顧客の成長に合わせた長期的なROIを意識させることで、契約につなげやすくなります。

これらの問題は、単なる価格交渉ではなく、顧客が感じる長期的な利益や成長に伴う価値をいかに強調できるかがポイントです。 

営業の基礎問題(利益編 10)

  第1問

あなたは高額なITシステムの営業担当です。 

顧客(大手企業)は、導入に向けて非常に前向きな姿勢を見せており、最終段階に入っています。 しかし、突然「予算オーバーだから、価格を10%下げてほしい」と要請してきました。あなたのシステムは他社の製品よりも多機能でサポートが充実しており、顧客のニーズに完全にマッチしていますが、値下げができるとすると、利益率が大きく圧迫されます。このような状況で、あなたが取るべき最も効果的なアクションはどれか?

A. 顧客に価格を10%下げた新たな提案をする 

B. 値下げ要求を拒否し、顧客に他社製品との比較をさせ、自社の優位性を再確認させる 

C. 顧客に価格の柔軟性を伝え、導入後の追加サービスや長期的なサポートを強調する 

D. 顧客に予算内で収めるためのシステムの一部削減を提案し、価格を下げる

正解: C. 顧客に価格の柔軟性を伝え、導入後の追加サービスや長期的なサポートを強調する

解説:値下げ要求に応じると、利益率の圧迫や、今後の契約条件が不利になる可能性が高いため、まずは価格以外の付加価値を強調することが効果的です。 顧客に対して、導入後の追加サービスや長期的なサポート(例えば、無料のメンテナンス期間やトレーニング)を提案することで、価格を下げずに価値を提供できます。値下げを避け、顧客にとっての総合的なメリットを見せることが重要です。

  第2問

あなたは新しい製品を販売する営業担当です。顧客(中堅企業)は製品に非常に興味を持っており、導入を決めるための最終的な見積もりを求めています。客が言うには、他社の製品は価格がかなり安く、同じような機能を提供しているとのことですが、あなたの製品は、機能性やサポート、拡張性などの面で長期的に有利だと説明しています。ただし、顧客は予算が限られており、「この価格で導入するには、もう少し条件を緩和してほしい」と言ってきました。このような状況で、最も効果的な商談戦略はどれか?

A. 顧客に価格を下げて契約を急ぐよう提案する 

B. 値下げに応じる代わりに、導入後のサポート契約やメンテナンス費用を別途提案する 

C. 顧客の要求に応じて価格を少しだけ下げ、製品の品質とサポートの重要性を強調する 

D. 顧客が本当にその製品が必要なのか再確認し、提案を取り下げる

正解: B. 値下げに応じる代わりに、導入後のサポート契約やメンテナンス費用を別途提案する

解説:値下げに応じる場合でも、その結果として利益が減少しないようにするためには、別の付加価値を提供することが重要です。 

ここでは、サポート契約やメンテナンス費用を別途提案することで、長期的な利益を確保しつつ、顧客のニーズにも応えられます。単純な価格交渉ではなく、サービスの一部を料金化して顧客に提供することで、双方にとってメリットのある合意を形成できます。

 第3問

あなたは新規市場への進出を担当している営業です。顧客(新興企業)は、あなたの製品に興味を示し、他社と比較して、価格は少し高いものの品質が優れていると感じています。顧客は「初めての購入なので、試験的に少量だけ購入したい」と言っていますが、あなたの企業は大量購入を前提に割引を提供するポリシーです。顧客は「まずは少量で試してからの判断にしたい」と繰り返し言っており、その後の大量発注の見込みは不確実です。この商談を成功に導くための最適なアクションはどれか?

A. まずは少量購入の契約を結び、顧客に十分な導入サポートを提供する 

B. 大量購入を促すために割引価格を提示し、顧客にリスクを取らせる 

C. 少量購入の契約を拒否し、他の企業との契約に集中する 

D. 顧客の予算を超えないように、少量購入に特別なディスカウントを提供する

正解: A. まずは少量購入の契約を結び、顧客に十分な導入サポートを提供する

解説:顧客が初めて購入する際、リスクを感じている可能性が高いため、まずは少量購入を受け入れ、導入サポートや製品のメリットをしっかりと説明することが重要です。 顧客が製品に満足し、効果を実感することで、その後の大量購入に繋がる可能性が高まります。価格にこだわるよりも、最初の関係性を築くことが商談成功のカギです。

営業の基礎問題(利益編 9)

第1問

あなたは製造業向けの業務改善ソフトウェアを販売している営業担当です。顧客(大手製造業)は、導入を決める前に他社との比較を行い、今までの見積もり額が高すぎると感じて値下げを要求してきました。しかし、顧客は自社のニーズに合ったカスタマイズができる点を評価しており、競合他社はその要件を満たしていません。値下げの要求に応じず商談を進めるため、あなたが取るべき最も効果的な行動はどれか?

A. 値下げを拒否し、カスタマイズやサポートに焦点を当てた価値提案を行う 

B. 顧客の予算内に収めるためにすぐに割引を適用する 

C. 他社の製品と比較して自社の優位性を強調し、顧客に価格を強調する 

D. 価格交渉を長引かせて、時間をかけて顧客に納得させる

正解: A. 値下げを拒否し、カスタマイズやサポートに焦点を当てた価値提案を行う

解説:顧客が競合と比較している場合、値下げをしてしまうと価格競争に巻き込まれます。カスタマイズや特別なサポートが顧客にとって最も価値がある点であるため、その付加価値を強調することが最適です。価格よりも品質とニーズに合ったソリューションの提供に焦点を当てることで、値下げなしでも顧客の納得を得ることができます。

  第2問

あなたは高性能なITインフラを提供する企業の営業担当です。顧客(中小企業)は、システム導入にあたって初期費用が高すぎると感じており、価格引き下げを要請してきました。ただし、顧客はサポートの質に強い関心を示しており、システムの可用性や拡張性に関しても説明を求めています。値下げを受け入れずに商談を進めるため、最も有効な対応はどれか?

A. 顧客の関心があるサポートや拡張性について詳しく説明し、長期的な利益を強調する 

B. 初期費用を減額することで即決を促す 

C. 値下げできない理由を詳細に説明し、顧客の不満を引き出す 

D. 他社のシステムと比較して、自社の優位性を強調する

正解: A. 顧客の関心があるサポートや拡張性について詳しく説明し、長期的な利益を強調する

解説:顧客はシステムの可用性や拡張性に関心があり、これに関連する付加価値を強調することが効果的です。サポート体制や将来の拡張性に対する投資が、長期的に企業にとってどれだけ有益かを説明することで、顧客は価格以外の価値を見出し、納得してくれる可能性が高まります。単に値下げするのではなく、顧客にとっての将来的な利益を強調するアプローチが成功します。

  第3問

あなたは製品の新規販売を担当している営業です。顧客(大手企業)は、貴社製品に非常に関心を示しており、初回提案に対して「他社と比較して価格が高い」と感じているものの、製品の品質や機能には満足しています。 顧客はすでに競合他社と契約寸前の状況ですが、最終的に価格についてもう少し柔軟に対応できるか尋ねてきました。この場合、値下げ交渉に応じることなく契約を取るために最も効果的な対応はどれか?

A. 顧客の懸念を理解し、製品の価値をさらに強調し、即決を促す 

B. 競合の価格を引き合いに出し、自社の優位性を再確認させる 

C. 価格以外の要素(サポート体制、納期の短縮など)を強調して提案する 

D. 値下げを提示し、競合他社と同じ条件で契約を取る

正解: C. 価格以外の要素(サポート体制、納期の短縮など)を強調して提案する

解説:競合と比較された場合、価格だけでは勝てないことが多いため、付加価値を強調するのが最も効果的です。サポート体制や納期の短縮など、価格以外の要素で差別化し、顧客が納得できる付加価値を提供することで、値下げなしでも契約を勝ち取ることが可能です。顧客にとって価格以外の価値を認識させることが重要です。

営業の基礎問題(利益編 8)

第1問

あなたはソフトウェア販売の営業担当です。顧客(中堅企業)が見積もりを提示されてから1週間が経ち、「価格が予算オーバーだ」と言って値下げを求めてきました。顧客は、他社の製品も検討しているとのことですが、あなたの製品に高い期待を寄せており、導入後のサポートやカスタマイズの提案に非常に興味を示しています。顧客が値下げを求めてきた場合、あなたが最初に取るべき行動はどれか?

A. 値下げのために上司に相談して価格を下げる方向で進める 

B. 他社の製品を引き合いに出し、値下げはできないことを強調する 

C. 値下げの背景や理由をヒアリングし、可能な付加価値を提案する 

D. 顧客に値下げの条件を伝え、そのまま契約を急かす

正解: C. 値下げの背景や理由をヒアリングし、可能な付加価値を提案する

解説:値下げ要請が来た場合、まずは「なぜ値下げを求めているのか」を確認することが大切です。顧客がどのような理由で価格を下げたがっているのかを理解することで、値下げをせずに他の付加価値を提案する道が開けます。顧客のニーズに合ったサポートやカスタマイズの提供を強調し、価値を提供することが最も効果的なアプローチです。

  第2問

あなたは物流業務のアウトソーシングサービスを提供する営業担当です。 顧客(大手製造業)はコスト削減を強く求めており、初回提案の価格が予算に合わないという理由で値下げを求めています。顧客は自社内でコスト削減を急務としており、他社の提案も検討しているが、他社のサービスでは対応できない特殊なニーズがあると話しています。顧客が値下げを求めてきた場合、最も効果的な対応策はどれか?

A. 予算内での提案をすぐに行い、即決を求める 

B. 顧客のニーズに基づいたカスタマイズ提案を強調し、値下げを拒否する 

C. 競合の提案内容を持ち出し、自社の優位性を強調して値下げを拒否する 

D. 顧客の特殊なニーズに対応できるサービスをアピールし、価格以外で価値を提供する

正解: D. 顧客の特殊なニーズに対応できるサービスをアピールし、価格以外で価値を提供する

解説:このシナリオでは、顧客がコスト削減を求めている一方で、自社のニーズには特化した対応が必要という点が鍵です。単なる価格競争に巻き込まれるのではなく、顧客が抱える特殊なニーズに対して適切な対応を提案することが重要です。カスタマイズや特別なサポートを提案し、顧客にとって「価格以上の価値」が得られることを伝えましょう。

  第3問

あなたは製造業向けのITシステムを販売している営業担当です。顧客から「もう少し価格を下げてほしい」と言われました。すでに販売価格はかなり厳しく設定しており、これ以上値下げをすると利益が圧迫されます。ただし、顧客は他社の同様なシステムを検討しており、貴社のシステムのメリットや導入後のサポートに強い関心を示しています。値下げ交渉に応じることなく商談を成立させるため、あなたが取るべきアクションはどれか?

A. 値下げできないことをはっきり伝え、導入後のサポートや長期的な関係性を強調する 

B. 顧客の価格引き下げ要望を無視し、強引に契約を求める 

C. 他社製品との比較を行い、価格以上のメリットを強調して契約を急かす 

D. 顧客に対して値下げ条件を提示し、契約を急がせる

正解: A. 値下げできないことをはっきり伝え、導入後のサポートや長期的な関係性を強調する

解説:このシナリオでは、値下げに応じることなく商談を成立させるためには、価格以外の価値をしっかりと伝えることが重要です。「他社との比較」や「自社製品の優位性」を強調し、値段以上の付加価値(サポートや長期的なパートナーシップ)を訴求しましょう。顧客には、価格ではなくサービスの質や将来の利益に焦点を当ててもらうことが効果的です。

営業の基礎問題(利益編 7)

 第1問 

顧客から「もっと安くして」と値下げ要請があったとき、まず取るべき最も適切な対応はどれか?

A. すぐに上司に相談する 

B. すぐに値引きOKして契約を取る 

C. 値下げ理由や背景をヒアリングする 

D. 即座に値下げを断る

正解: C. 値下げ理由や背景をヒアリングする

解説:値下げ要請が来たら、即応せず、まず「なぜ値下げを求めているのか」をヒアリングすることが鉄則です。

たとえば、 

・ 予算不足 

・ 他社比較 

・ 社内稟議の都合 

・ 価格以外の付加価値要望 

など、理由によって対応策は大きく異なります。 

背景を聞かずに安易に値引くと、利益を失うだけでなく、信用も損ねる可能性があります。

  第2問

顧客からの値下げ要請に対して、「価格は据え置きにしたい」と考える場合、最も効果的なアプローチはどれか?

A. 値引き以外の付加価値(サポートや納期短縮など)を提案する 

B. 価格据え置きの理由をひたすら理屈で押し通す 

C. 他社の価格を引き合いに出してけん制する 

D. 契約の即決を条件に少しだけ値下げを提示する

正解: A. 値引き以外の付加価値(サポートや納期短縮など)を提案する

解説:単純な値下げ競争に巻き込まれないためには、「価格以外の魅力を高める」ことがカギです。 

たとえば、 

・ 無償サポート期間の延長 

・ 特急納品 

・ 保守・アフター対応の強化 

などを提案することで、価格の正当性を守りつつ顧客満足も高めることができます。

  第3問

「どうしても価格を下げてほしい」という顧客に対して値引きを行う場合、営業として最も注意すべきポイントはどれか?

A. 値引きに応じたらすぐに注文をもらうことを約束させる 

B. 値引き幅をできるだけ広くして顧客満足を最大化する 

C. 他の顧客にも同条件で値引きを適用すると伝える 

D. 値引き理由を曖昧にして「特別対応感」を演出する

正解: A. 値引きに応じたらすぐに注文をもらうことを約束させる

解説:値引きは「条件付き」で行うのが原則です。 

特に、 

・ 値引き=即決 

・ 値引き=追加発注 

など、「何かを得る代わりに譲歩する」姿勢を持たないと、ただ安売りするだけで終わってしまいます。 

値引きには必ず「対価・条件」をセットで求める――これが営業の基本です。

営業の基礎問題(利益編 6)

  第1問 ある商品を、販売価格100万円・原価70万円で販売していた。顧客から「5%値下げしてほしい」と要望された場合、粗利額はいくらになるか?

A. 28万円 

B. 25万円 

C. 27万円 

D. 30万円

正解: B. 25万円

解説:もとの粗利額は100万円(販売価格)−70万円(原価)=30万円 

5%値下げすると、販売価格は100万円 × 95%=95万円 

新しい粗利額は95万円−70万円=25万円

ポイント: 

値下げは「売上高ダウン」だけでなく「粗利額ダウン」に直結します。このケースでは、5万円値下げしたことで粗利額が5万円減少しています。 

  第2問

販売価格200万円、原価120万円の商品。10%値下げを受けた場合、新しい粗利率はどれになるか?

A. 約33% 

B. 約40% 

C. 約35% 

D. 約30%

正解: 

 A. 約33%

解説:もとの粗利率は、200万円−120万円)÷200万円=40% 

10%値下げすると、販売価格は、200万円 × 90%=180万円 

新しい粗利額は、180万円−120万円=60万円 

新しい粗利率は、60万円 ÷ 180万円=約33.3%

よって、正解はA. 約33%です。

ポイント:値下げは、粗利額だけでなく粗利率も確実に悪化させます。 

たとえ原価が変わらなくても、販売価格が下がると粗利率も下がるので注意!

  第3問

販売価格150万円・原価90万円の商品で、顧客から「7%値下げしてほしい」と言われた。 

この値下げを受けると、粗利額は何万円減少するか?

A. 7.5万円減少 

B. 10.5万円減少 

C. 9万円減少 

D. 6万円減少

正解:B 10.5万円減少

解説:もとの粗利額は150万円−90万円=60万円 

7%値下げすると、販売価格は150万円 × 93%=139.5万円 

新しい粗利額は 139.5万円−90万円=49.5万円 

粗利額の減少は60万円−49.5万円=10.5万円減少 

よって正解はB. 10.5万円減少です。

ポイント 

わずか数%の値下げでも、粗利額には大きなインパクトがあります。  営業現場では、軽い気持ちで値下げに応じると「利益が大きく削られる」ので要注意です。

営業の基礎問題(利益編 5)

 第1問 

粗利率を改善するために、営業担当者が商談時に意識すべき最も基本的な行動はどれか?

A. 値引き交渉を受け入れてでも、まず受注件数を増やす 

B. 顧客に商品の付加価値を伝え、単価維持または向上を図る 

C. 必要以上にサービスを追加して顧客満足度を上げる 

D. 受注後に原価を下げるため、仕様を勝手に簡略化する

正解: B. 顧客に商品の付加価値を伝え、単価維持または向上を図る

解説:粗利率=(売上高−売上原価)÷売上高。 

単価を下げずに売れれば、それだけ粗利率は高く保たれます。 

そのためには、 

・ 「なぜこの価格に見合う価値があるのか」 

・ 「他社との違いは何か」 

を丁寧に伝え、顧客に納得してもらうことが重要です。単価を守る・上げるための提案力が、粗利率改善に直結します。なお、無理にサービスを追加する(C)と逆にコスト増になるので要注意です。

  第2問 

粗利率改善のため、営業現場で特に注意すべきコスト管理対象はどれか?

A. 社内会議の開催回数 

B. 顧客への納品・配送コスト 

C. 営業担当者の休日出勤回数 

D. 売上金回収のスピード

正解: B. 顧客への納品・配送コスト

解説:現場レベルで粗利率に影響するのは、売上原価に直結するコストです。 

その代表例が「納品・配送コスト」。 

例えば、 

・ 無駄な小口配送を減らす 

・ 複数納品をまとめる 

・ 配送業者との契約条件を見直す 

といった取り組みは、売上原価を抑える=粗利率を改善する効果があります。 

社内会議(A)や休日出勤(C)もコストですが、粗利率への直接的影響は小さいです。

 第3問 

粗利率改善のために営業担当者が行うべき「売り方」として、最も効果が高いものはどれか?

A. 顧客の希望に合わせ、安価な商品に切り替えて販売する 

B. 利益率の高い商品・サービスを優先して提案する 

C. 売れ筋商品だけを大量に売ることを目指す 

D. 商品単価を抑えるため、標準仕様を削減する

正解: B. 利益率の高い商品・サービスを優先して提案する

解説:すべての商品・サービスが同じ粗利率ではありません。営業現場では、粗利率が高い(=利益が残りやすい)商品やサービスを把握し、それを中心に提案していくことが、粗利率改善の大きな武器になります。「売れやすさ」だけに流されず、「売った後に利益がきちんと残るか」を常に意識することが、利益体質を作る営業スタイルです。なお、安価な商品への切替(A)や標準仕様削減(D)は、単価・価値を下げる方向になり、かえって粗利率悪化の原因になります。

営業の基礎問題(利益編 4)

 第1問 

次のうち、現場の商談で「利益感度」が高い営業担当者の行動として最も適切なものはどれか?

A. 少しでも売上が取れるなら、積極的に値引きを提案する 

B. 単価交渉をせず、まずは契約獲得を最優先する 

C. 顧客に価格以上の付加価値(品質、サポートなど)を説明して単価維持または向上を狙う 

D. 売上数量を増やせば利益も必ず増えると考える

正解: C. 顧客に価格以上の付加価値(品質、サポートなど)を説明して単価維持または向上を狙う

解説:利益感度が高い営業とは、「売上=利益ではない」ことをしっかり理解して動ける人です。単に売上高を追うのではなく、「利益を生む売上」を意識して交渉・提案を進めるのが特徴です。

・ Aの選択肢は、値引きをすれば売上数量は増えるかもしれませんが、粗利率が下がり、結果として利益額が減るリスクが高いです。 

・ Bの選択肢は、契約を取れても利益の質(単価や条件)を無視すると、後で事業の採算が合わなくなります。 

・ Dの選択肢は、数量を増やしても単価が低かったりコストが増えたりすると、利益は減る場合もあるため、正しくありません。 

Cの選択肢のように、「価格以外の価値(例:品質、アフターサポート、保証期間、提案力など)」を訴求して、顧客に納得してもらいながら単価を維持または向上させる営業スタイルこそが、利益感度の高い動きです。

ポイント :利益感度の高い営業とは、商談時に 

・ 「この値引きで粗利率はどうなるか」 

・ 「数量を増やしても利益総額は上がるか」 

・ 「付加価値提案で単価を守れるか」 

を常に頭に置きながら動いています。

 第2問 

ある商談で、顧客が「大量発注するから単価を10%下げてほしい」と要望してきた。利益感度の高い営業担当者がまず最初に確認すべきことはどれか?

A. すぐに上司に相談する 

B. この値下げによる粗利率の変化と利益総額への影響を試算する 

C. 顧客の要望を無条件で受け入れる 

D. 同業他社に同じ条件で売っているかを調べる

正解: B. この値下げによる粗利率の変化と利益総額への影響を試算する

解説:「大量発注=良い話」と思いがちですが、単価を下げすぎると総利益(粗利総額)が減る場合もあります。利益感度の高い営業は、単に数量アップに飛びつくのではなく、 

– 粗利率がどのくらい下がるのか 

– 結果として粗利の絶対額は増えるのか 

を必ず計算します。 

それによって、値引き交渉に応じるべきか、条件をさらに調整すべきかを判断します。

  第3問 

営業担当者が「利益感度」を磨くために最も有効な習慣はどれか?

A. 売上件数だけを毎日チェックする 

B. 自分が受注した案件ごとに、粗利率・営業利益率を確認する 

C. 値引き交渉を必ず拒否する 

D. 競合他社の価格だけに敏感になる

正解: B. 自分が受注した案件ごとに、粗利率・営業利益率を確認する

解説:利益感度は「数字を意識する習慣」から育ちます。 

売上件数や取引件数だけを追っても、利益体質を高めることはできません。 

自分が受注した1件1件について、 

・ どのくらいの粗利率だったか? 

・ 営業利益にどう貢献したか? 

を振り返ることが、利益感度向上に直結します。 

その積み重ねで「この条件なら利益が出る/出ない」という勘所が磨かれます。

 第4問 

次のうち、商談時に利益感度を高めた提案をするために効果的なアプローチはどれか?

A. 最初から値引きを前提に話を進める 

B. 顧客のニーズに応じたオプション提案やグレードアップ提案を行う 

C. 顧客のコスト削減要求をすべて受け入れる 

D. できるだけ早く契約を締結し、内容の詳細はあとで詰める

正解:B. 顧客のニーズに応じたオプション提案やグレードアップ提案を行う

解説:価格だけの勝負に持ち込まれると、どうしても値引き・粗利減少に直結してしまいます。 

利益感度の高い営業は、「単価を守る/引き上げる」ために、 

・ 高付加価値なオプション提案 

・ 顧客が本当に望むアップグレード案 

などを提示し、「価格以上の価値」を提供する流れに持ち込みます。 

これにより、単価を維持または向上させつつ、顧客満足も高めることができます。 

これが「利益も顧客満足も両立する」スマートな営業手法です。

Evoto
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