営業の基礎問題 (マーケティング編 7)

第1問

 営業部では、今期の売上拡大施策として以下の2つのキャンペーンの実施を検討しています。どちらも同じ予算枠で、どちらか一方のみ実施可能な状況です。より利益面で効果が高い施策を選んでください。

施策内容コスト成約数増加平均単価粗利率
Aオンライン広告キャンペーン200万円40件50万円25%
B紹介インセンティブ施策100万円25件80万円40%

A. A施策(オンライン広告) 

B. B施策(紹介インセンティブ) 

C. どちらも同程度の効果 

D. コストが低いBを選ぶべき

正解:B. B施策(紹介インセンティブ)

解説:【A施策】 

売上:40件 × 50万円=2,000万円 

粗利:2,000万円 × 25%=500万円 

利益=500 − 200=300万円

【B施策】 

売上:25件 × 80万円=2,000万円 

粗利:2,000万円 × 40%=800万円 

利益=800 − 100=700万円

→ 施策Bは成約数は少ないものの、利益額で2倍以上の差があります。営業施策の評価では、件数の多寡ではなく「粗利益−施策コスト」の観点で判断することが重要です。

第2問

 営業本部では、来期の重点営業エリアを以下の2地域のうちどちらにするか決める必要があります。どちらのエリアに重点配分すべきか、利益最大化の観点で選んでください。

地域成約率平均受注額営業交通費(1件あたり)営業人件費(月)1人あたり月間提案件数粗利率
地方都市12%120万円2万円40万円50件35%
都市圏8%200万円0.5万円60万円80件30%

A. 地方都市の方が粗利率が高いため優先 

B. 都市圏の方が移動コストが安く、売上も高いため優先 

C. 粗利金額で地方都市が上回る 

D. 地域戦略は利益ではなく顧客層で決めるべき

正解:B. 都市圏の方が移動コストが安く、売上も高いため優先

解説:【地方都市】 

提案数:50件 → 成約数=50 × 12%=6件 

売上:6件 × 120万=720万円 

粗利:720 × 35%=252万円 

交通費:2万×6件=12万円 

利益=252 − 40(人件費)−12=200万円

【都市圏】 

提案数:80件 → 成約数=80 × 8%=6.4件 

売上:6.4件 × 200万=1,280万円 

粗利:1,280 × 30%=384万円 

交通費:0.5万×6.4件=3.2万円 

利益=384 − 60 − 3.2=約321万円

→ 都市圏の方が粗利額も最終利益も大きいため、営業効率も高い。数字で見ると、地方=成約率と粗利率は高いが、コスト構造に劣るという典型例です。

営業の基礎問題 (マーケティング編 6)

第1問

 あなたの営業部では、新しい営業支援ツールの導入を検討しています。初期導入費は300万円、月額ライセンス費は10万円(1年目から)。このツールにより営業の成約率が平均10%改善され、年間売上が毎年500万円増加すると見込まれています。導入から3年間の累積ROI(=累積利益 ÷ 累積投資)として最も近いものはどれか?

A. 約50% 

B. 約100% 

C. 約200% 

D. 約300% 

正解:B. 約100%

解説:【投資総額(3年間)】 

初期導入費:300万円 

月額10万円 × 12か月 × 3年=360万円 

合計:660万円 

【利益増加(3年間)】 

年500万円 × 3年=1,500万円 

【ROI計算】 

ROI=(1,500万円 − 660万円)÷ 660万円 

ROI=840 ÷ 660 ≒ 1.27 → 約127%(最も近いのはB)

このように、単年の効果ではなく「累積で投資を上回る回収ができるか?」を評価することが戦略的意思決定において重要です。短期ROIだけで判断すると、良い投資を見逃すこともあります。

第2問

 あなたのチームは、次の2つの戦略のいずれかを来期に実行できます。予算・人員はどちらか一方にしか配分できません。営業成果(粗利益ベース)でより効果が高い選択肢はどれか?

指標新規開拓戦略既存顧客深耕戦略
アプローチ可能企業数500社100社
成約率5%30% 
平均受注額150万円100万円
利益率(粗利益)20%40% 

A. 新規開拓戦略 

B. 既存顧客深耕戦略 

C. 新規開拓と既存深耕を半分ずつ行う 

D. 数値では判断できないため現場感覚を優先すべき

正解:B. 既存顧客深耕戦略

解説:【新規開拓戦略】 

成約:500社 × 5%=25件 

売上:25件 × 150万円=3,750万円 

粗利益:3,750万円 × 20%=750万円

【既存顧客深耕】 

成約:100社 × 30%=30件 

売上:30件 × 100万円=3,000万円 

粗利益:3,000万円 × 40%=1,200万円

→ 粗利益で見ると既存顧客深耕が1.6倍の成果を生む見込みです。これは、既存顧客の方が提案成功率が高く、営業効率が良いことを数値で裏付けています。

Evoto

営業の基礎問題 (マーケティング編 5)

1問

 あなたは新商品Aの販売戦略を検討しています。製造原価は1個あたり6,000円、現在の販売価格は10,000円。営業部から「販売拡大のために価格を8,500円に下げたい」と提案がありました。この時、利益率(=利益 ÷ 売上)をもとに適切な判断として最も妥当なのはどれか?

A. 利益率が下がるが販売数量が増えるなら承認すべき 

B. 利益率は上がるため価格引き下げは問題ない 

C. 利益率が大きく下がるため、価格引き下げは慎重にすべき 

D. 利益は変わらないため、販売現場の意見を優先すべき 

正解:C. 利益率が大きく下がるため、価格引き下げは慎重にすべき

解説:価格10,000円 → 利益:4,000円(利益率 40%) 

価格8,500円 → 利益:2,500円(利益率 約29.4%) 

価格を1,500円下げることで利益率は大きく下がります。販売数量がどれだけ増えるか明確でない中での値下げは、利益全体を大きく損なうリスクがあります。営業戦略上、「どれくらいの数量増で損益が逆転するか」を事前に試算する必要があります。

第2問

 あなたの営業部では、以下のような2つのリード獲得チャネルを選べます。予算が限られており、1チャネルしか選べない場合、より利益を最大化できるのはどれか?

チャネル月間獲得リード数成約率平均受注額獲得コスト
A(展示会)200件5%100万円150万円
B(Web広告)500件2%70万円100万円

A. チャネルA 

B. チャネルB 

C. 獲得数が多いBを選び、他部門から費用を補填 

D. どちらも同程度の成果なので予算配分を半分ずつにする 

正解:A. チャネルA

解説: 

A:200件 × 5% = 10件 → 売上:1,000万円、コスト差引:+850万円 

B:500件 × 2% = 10件 → 売上:700万円、コスト差引:+600万円 

同じ成約数でも、チャネルAの方が単価が高いため、利益総額が大きくなります。単純な「リード数」や「成約率」ではなく、「1チャネルあたりの実質利益」を見ることが営業戦略では重要です。

第3問

 あなたの営業部では、リソース(営業人員)を2つの市場にどのように配分するかを決めなければなりません。以下の条件のもとで、営業成果(=総売上)を最大化するにはどの選択肢が最も適切か?

市場潜在顧客数成約率平均単価1人あたり月間接触可能顧客数
X1,000社15%150万円80社
Y3,000社5%300万円50社

営業人員は10名で、1市場に5名ずつ配分するか、重点配分を選ぶことができます。

A. 5名ずつ均等配分 

B. X市場に全員を集中配分 

C. Y市場に全員を集中配分 

D. Xに3名、Yに7名配分する 

正解:D. Xに3名、Yに7名配分する

解説:各市場での売上最大化を試算します:

– X(3名):80社×3=240接触 → 15%成約=36件 ×150万円=5,400万円 

– Y(7名):50社×7=350接触 → 5%成約=17.5件 ×300万円=5,250万円 

→ 合計:1億650万円(D案)

他の案は以下の通り(計算略): 

A案:総売上 9,750万円 

B案:9,000万円 

C案:7,500万円 

このように、成約率×接触件数×単価のバランスをとって判断することで、戦略的な営業人員配分ができます。

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営業の基礎問題 (マーケティング編 4)

第1問 

 プロダクトライフサイクル(PLC)において、営業が「価格競争」への備えと「顧客ロイヤルティ向上策」の両方を求められるフェーズはどれか? 

A. 導入期 

B. 成長期 

C. 成熟期 

D. 衰退期 

正解:C. 成熟期

解説:製品ライフサイクル(PLC)の成熟期は、競合製品が出揃い、差別化が難しくなり、価格競争が激化する時期です。このフェーズでは、新規開拓以上に既存顧客との関係性の強化が営業に求められます。ロイヤルティプログラムや継続利用の提案、アフターサービス強化などが重要な施策となります。単なる受注活動だけでなく、LTV(顧客生涯価値)の最大化視点が問われます。

第2問 

 戦略立案においてPEST分析を活用する意義として最も適切なものはどれか? 

A. 自社の商品ラインナップを強化する内部施策を検討するため 

B. 顧客の心理的インサイトを発掘するため 

C. 業界トレンドや外部環境の変化を体系的に把握するため 

D. 営業パーソンの個人スキルギャップを明確にするため

正解:C. 業界トレンドや外部環境の変化を体系的に把握するため

解説:PEST分析は、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4領域から、マクロ環境の変化を分析するフレームワークです。新しい市場機会の発見やリスク予測に役立ちます。営業部門でも、特定業界の規制強化やDXトレンドなどの背景を把握しておくことで、顧客との会話や提案の説得力が大きく変わります。

第3問 

 次の条件のもと、営業戦略を立案する際に最も妥当な選択はどれか? 

– 自社は中堅企業で資金に限りがある 

– ニッチ市場で強い製品を持つ 

– 大手企業とは直接競争したくない 

A. 幅広い顧客に向けたブランド認知強化キャンペーンを実施する 

B. 市場の最大セグメントに向けて価格を下げてシェアを狙う 

C. 特定業種・用途に絞って価値訴求を深める戦略をとる 

D. 海外展開を視野に、SNS広告に一気に予算を集中投下する 

正解:C. 特定業種・用途に絞って価値訴求を深める戦略をとる

解説:この条件において最も適しているのは「集中戦略(特化戦略)」です。資金的リソースが限られる中堅企業が大手と真っ向勝負するのではなく、特定の業種やニーズに深く刺さるソリューション提案で勝負するほうが、営業効率・利益率ともに高められます。これはポーターの「集中戦略」の考え方にも通じ、BtoB営業における実践的な戦略判断としても現実的です。

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営業の基礎問題 (マーケティング編 3)

第1問

 自社製品の販売戦略を考える上で、ポーターの「競争戦略」の中で、価格以外の価値訴求(品質・サービス・ブランド)で勝負する戦略はどれか? 

A. コスト・リーダーシップ戦略 

B. 差別化戦略 

C. 集中戦略(コスト集中) 

D. 無差別戦略

正解:B. 差別化戦略

解説:マイケル・ポーターが提唱する「競争戦略」には、①コスト・リーダーシップ戦略、②差別化戦略、③集中戦略の3つがあります。差別化戦略とは、製品やサービスの独自性(ブランド力、技術力、アフターサービスなど)で競合と差をつけ、価格競争に陥らずに利益を確保する考え方です。営業現場では、商品説明や提案時にこの差別化要素を的確に伝えるスキルが求められます。

第2問

 マーケティングの「バリュープロポジション」の概念において、営業が最も注力すべきポイントはどれか? 

A. 自社ができることの一覧 

B. 顧客が最も重要視する価値 

C. 競合が提供している機能のすべて 

D. 製品カタログの網羅的な提示

正解:B. 顧客が最も重要視する価値

解説:バリュープロポジションは、「自社の強み × 顧客が求める価値 × 競合が提供できないこと」の重なる部分で定義されます。営業が重視すべきは「顧客のニーズと価値認識」であり、そこに自社の強みを重ねて伝えることが重要です。AやDのように一方的な情報提供では、顧客に響く価値訴求にはなりません。特にBは、営業のヒアリング力と提案の精度を決定づけます。

第3問

 BtoBビジネスにおけるABM(アカウント・ベースド・マーケティング)戦略の特徴として最も適切なのはどれか? 

A. 不特定多数の潜在顧客に広くアプローチする手法 

B. 大手顧客や特定企業に対して個別最適化した営業・マーケティング活動 

C. マス広告とSNS広告を組み合わせた認知拡大戦略 

D. 顧客データベースの一括購入と一斉アプローチ

正解:B. 大手顧客や特定企業に対して個別最適化した営業・マーケティング活動

解説:ABM(Account-Based Marketing)は、特にBtoBで用いられる戦略で、限られた重要顧客(アカウント)に対してパーソナライズされたマーケティング施策と営業活動を連携して行う手法です。ターゲット企業ごとにニーズを深掘りし、課題解決型の提案を設計する必要があるため、営業とマーケの高度な連携が不可欠です。AやCのようなマスマーケティングとは対極にある考え方です。

営業の基礎問題 (マーケティング編 2)

第1問

 4P理論における「Place(流通)」が営業活動に与える影響として最も適切なのはどれか?

A. 商品のブランドイメージを強調するため 

B. 顧客が求めるチャネル(販売経路)で商品にアクセスできるようにするため 

C. 商品価格を柔軟に交渉できるようにするため 

D. 顧客ごとに異なるパッケージを作成するため

正解:B

解説:4Pの「Place(流通)」は、顧客が“欲しいときに欲しい方法で”商品にアクセスできる状態を作ることを意味します。営業現場でも、オンライン・オフライン・代理店経由など適切なチャネル戦略を理解し、提案活動に活かす必要があります。ブランド訴求(A)やパッケージ対応(D)は「Product」領域の要素です。

第2問

 デマンドジェネレーション(需要創出)の考え方として、営業が特に意識すべきものはどれか?

A. 受注見込みの高いリードだけにアプローチする 

B. 顧客が認識していない課題を掘り起こし、購買意欲を高める 

C. 購買意欲が高いリードだけに価格交渉を行う 

D. すべてのリードに一律の情報提供を行う

正解:B

解説:デマンドジェネレーションとは、単なるリード獲得ではなく、潜在的な課題認識を促し、購買ニーズを育てる活動です。営業は「すぐに買う顧客」だけでなく、「まだ課題に気づいていない顧客」にも働きかける視点を持たなければなりません。一律対応(D)は効果が低いです。

第3問

 ABM(アカウントベースドマーケティング)における営業の役割として最も重要なのはどれか?

A. できるだけ幅広い業種・業界にアプローチする 

B. 重点アカウントに対して、個別最適な戦略を立て、組織横断で深耕する 

C. 商談中の担当者個人にのみ注力する 

D. 初回提案時にすべてのプランを一括提示する

正解:B

解説:ABMとは、「ターゲットとなる重要顧客を特定し、個別に最適化されたアプローチを組織ぐるみで行う」マーケティング・営業手法です。営業は、単なる担当者ベースではなく、複数部門・役職者を巻き込んで関係を深める役割が求められます。幅広く浅い営業(A)はABMの考え方と逆です。

第4問

 インバウンドマーケティングの概念に基づいて営業が強化すべき活動はどれか?

A. 顧客が問い合わせてくるまで何もしない 

B. 顧客にとって価値のある情報提供を積極的に行い、信頼を蓄積する 

C. 電話営業や訪問営業で積極的に接触件数を増やす 

D. 購入意向が強い顧客だけを選別して追いかける

正解:B

解説:インバウンドマーケティングは、価値ある情報を発信して顧客からの信頼を得たうえで、自発的なアクションを促す戦略です。営業もこれに合わせて、単なる売り込みではなく、知見・成功事例・ホワイトペーパーなどで「先に価値提供」する姿勢が求められます。受け身(A)や件数重視(C)は古いアプローチです。

営業の基礎問題 (マーケティング編 1)

第1問

 ポジショニング戦略において営業が最も意識すべきことはどれか?

A. 商品の機能説明を詳しく伝えること 

B. 顧客にとっての「選ぶ理由」を競合と比較して明確にすること 

C. 価格をできるだけ下げて競争力を上げること 

D. 顧客にすべてのオプションを提示すること

正解:B

解説:ポジショニング戦略とは「なぜその商品・サービスを選ぶべきか」を明確に伝えるための設計です。営業は、単なる機能説明(A)ではなく、競合との差別化ポイントや顧客ベネフィットを中心に伝えるべきです。安易な価格競争(C)や情報過多(D)は、逆に選ばれにくくなります。

第2問

 STP分析の「T(ターゲティング)」を営業が活用する意義として最も適切なのはどれか?

A. すべての見込み客に一律でアプローチできる 

B. 特定の顧客層に絞ることで提案精度と受注率を高められる 

C. 自社製品の特徴をより詳しく説明できるようになる 

D. 安価な層を狙って価格訴求型営業を行うため

正解:B

解説:ターゲティングは、「最も勝ちやすい顧客層を選び、集中してリソースを投下する」考え方です。営業活動においても、無差別にアプローチするより、明確なターゲット像に合わせた提案をする方が効率と成約率が高まります。単なる説明(C)や価格重視(D)はターゲティングの本質ではありません。

第3問

 マーケティングファネルにおける「リードナーチャリング(見込み客育成)」の役割はどれか?

A. 最初からクロージングに持ち込むこと 

B. 見込み客の興味・関心を高め、商談化を促進すること 

C. 高額商品だけを紹介すること 

D. 価格訴求のメールを連発して早期購入を迫ること

正解:B

解説:リードナーチャリングとは、まだ購入意欲が低い見込み客に対して、段階的に情報提供しながら購買意欲を高める活動です。いきなり売り込み(A、D)に走ると逆効果ですし、商品選択肢を狭めすぎる(C)と機会損失にもなりかねません。

第4問

 営業がマーケティング視点で「カスタマージャーニー」を理解する意義として正しいものはどれか?

A. 顧客に売りたい商品の強みを押しつけるため 

B. 顧客が購買に至るプロセスを把握し、最適なタイミングでアプローチするため 

C. 購入完了後にフォローをしなくてもよくなるため 

D. すべての顧客に同じタイミングで提案するため

正解:B

解説:カスタマージャーニーとは、顧客が認知→興味→比較検討→購入→利用まで進む流れを指します。営業がこれを理解すると、顧客心理に応じた適切なタイミング・内容で提案できるようになり、無理な売り込みや機会損失を防ぐことができます。押し売り(A)や一律提案(D)は逆効果です。

営業の基礎問題 (営業管理編 18)

第1問

OJTにおいて「商談後のフィードバック」の質を高めるために、最も重要な要素はどれか?

A. マネージャーがその場で即座に指摘すること

B. マネージャーの主観を率直に伝えること

C. 観察した事実をもとに、対象者に自己評価させること

D. 顧客の反応や結果をもとに、成功か失敗かを判断すること

正解:C. 観察した事実をもとに、対象者に自己評価させること

解説:OJTのフィードバックでは、「観察事実 → 自己評価 →フィードバック」という流れが重要です。Cのように、事実に基づいて本人に振り返らせることで、学習効果と自走力が高まります。マネージャーの主観だけで評価すると、反発や受け入れ拒否を招くリスクがあります。

第2問

以下のうち、「OJTが効果を発揮しにくくなる典型的なパターン」として最も適切なものはどれか?

A. OJT対象者が現場で失敗する経験をする

B. OJTが商談同行のみに偏っている

C. フィードバックで改善点が複数指摘される

D. 対象者がマネージャーとペアで行動する頻度が高い

正解:B. OJTが商談同行のみに偏っている

解説:商談同行のみ=OJTと誤解するケースは多く見られますが、「見せるだけ・真似るだけ」では育成効果は限定的です。AやCは、一見ネガティブですが、正しい振り返りと支援があれば成長の糧になります。Bのような偏りはOJTの本質から外れており、学びの深まりが弱くなります。

第3問

次のうち、営業OJTにおけるPDCAサイクル運用の誤った理解はどれか?

A. PlanはOJTのゴール設定と指導項目の明確化を意味する

B. Doは実践活動(商談など)の場で行動する段階である

C. Checkでは、結果(受注の有無)のみを評価すればよい

D. Actでは、次の指導・育成内容を改善・調整する

正解:C. Checkでは、結果(受注の有無)のみを評価すればよい

解説:OJTのCheckフェーズで評価すべきは「行動プロセス」であり、結果(受注・失注)だけでは育成評価として不十分です。Cのような結果偏重型の評価では、学習の質が落ち、指導も場当たり的になります。PDCAは行動の質と成長にフォーカスして回す必要があります。

営業の基礎問題 (営業管理編 17)

第1問

価格では競合に勝てない状況下で、受注につなげるための提案型営業の最適なアプローチはどれか?

A. 自社製品の高品質や実績を強調し、価格差を正当化する

B. 顧客の業務全体に踏み込んだ課題分析と、運用面まで踏まえた提案を行う

C. 最低価格保証を導入し、価格競争を回避する仕組みを作る

D. サービスレベルの高さを強調して、安心感を訴求する

正解:B. 顧客の業務全体に踏み込んだ課題分析と、運用面まで踏まえた提案を行う

解説:価格が不利でも、顧客の真の課題や全体最適を捉えた提案(=総合提案)であれば、競合よりも高い価格でも選ばれることがある。製品単体ではなく、業務プロセスや成果、組織変革までを視野に入れた提案が総合提案力の核心である。

第2問

「価格は少し高いが、対応がしっかりしている」という理由で契約に至ったケース。営業として意識すべき再現性のある行動はどれか?

A. 顧客からの問い合わせには必ず即レスポンスするよう徹底する

B. 初期対応時に、顧客の事業課題やKPIまでヒアリングするプロセスを取り入れる

C. 価格の高さを補うために、常に追加の特典や支援メニューを提供する

D. クロージング直前の印象アップを目的としたフォロー訪問を増やす

正解:B. 初期対応時に、顧客の事業課題やKPIまでヒアリングするプロセスを取り入れる

解説:「対応の良さ=丁寧さ」ではなく、顧客の本質的な目的を先回りして捉えた提案姿勢が「信頼感」「価値感」につながる。再現性のある総合提案営業とは、初期段階からの高質なヒアリングと仮説立てを習慣化することにある。

第3問

ある顧客が「価格面では競合のほうが有利」と言う中で、自社提案が選ばれた。この成功要因を最も正しく分析しているのはどれか?

A. 担当者のプレゼン力が高く、顧客に強い印象を与えたため

B. 顧客ニーズに沿った仕様に柔軟に変更できたため

C. 提案内容が業務の将来像やリスク対策にまで踏み込んでいたため

D. 自社のブランドイメージが競合より強かったため

正解:C. 提案内容が業務の将来像やリスク対策にまで踏み込んでいたため

解説:単なる現状課題対応ではなく、将来的な運用課題や業務拡張、リスク対応までを含む中長期視点の提案は、価格以上の価値を認められる重要な要素。特にBtoB領域では、「考えてくれている営業」への信頼が選定理由になることが多い。

営業の基礎問題 (営業管理編 16)

第1問

景気後退局面での在庫戦略として最も適切な判断はどれか?

A. 在庫を一斉廃棄して財務諸表上の棚卸資産を圧縮する

B. コア商品の在庫水準を維持し、機会損失の防止を優先する

C. すべての商品で発注停止をかけ、キャッシュ確保を最優先する

D. 価格下落リスクを避けるため、在庫の再評価を先送りにする

正解:B. コア商品の在庫水準を維持し、機会損失の防止を優先する

解説:不況下でも、需要が安定しているコア商品は在庫を確保しておくことが利益確保・顧客維持に直結します。過度な在庫削減は販売機会の喪失につながるため、戦略的選別が重要です。AやCは短期的キャッシュ改善にはなっても長期的にはブランド・信頼・売上を損ないます。Dは不適切な会計処理の誘因になります。

第2問

返品率が高い商品について、販売後の返品対応における組織連携の観点で最も適切な施策はどれか?

A. 顧客対応は営業部門、返品処理は物流、損失計上は経理に分けて完全に独立管理する

B. 原因分析をマーケティング主導で行い、営業・商品開発と定期レビューの場を設ける

C. 返品処理はすべて委託業者に外注し、社内部門は関与させない

D. 各部門が返品情報を持ち寄って、月次の数値報告会で一元集計するのみとする

正解:B. 原因分析をマーケティング主導で行い、営業・商品開発と定期レビューの場を設ける

解説:返品の原因は、商品仕様・営業活動・顧客期待のギャップなど、複合要因であることが多いため、マーケティング起点の横断的なPDCAが有効です。Bのように多部門が定例で連携し、戦略・設計・品質・営業トークなどを総合的に見直すことが、返品抑制と顧客満足向上につながります。

第3問

経営層が在庫圧縮をKPIに設定した場合、副次的に発生しやすいリスクとして最も注意すべきものはどれか?

A. 売上高が増加しすぎて、納税負担が急増する

B. 在庫評価額が高騰し、資産バブルが発生する

C. 欠品リスクが高まり、顧客満足度が低下する

D. 原価が安定し、利益率が不自然に向上する

正解:C. 欠品リスクが高まり、顧客満足度が低下する

解説:在庫圧縮を進めすぎると、販売機会の逸失や納期遅延につながる欠品リスクが高まり、顧客満足度や継続取引に悪影響を与えかねません。Cは現場でも最も現実的なジレンマです。AやBは非現実的、Dは原価に直接の因果関係がないため誤りです。

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