営業の基礎問題(基礎編 18)

第1問

「価格が高い」と顧客が反応した際、価値訴求型営業が最初に取るべき適切な対応はどれか。

A. 他社との価格差を根拠を持って丁寧に説明する

B. 「そうですね、高く見えるかもしれません」と共感しつつ、背景を確認する

C. 「そう見える理由を教えてください」と問い返し価格交渉に備える

D. 「それでも導入効果があります」と価値を即座に主張する

正解:B. 「そうですね、高く見えるかもしれません」と共感しつつ、背景を確認する

解説:価格が話題に上がった瞬間に価値訴求へ進むのではなく、まずは心理的な共感と顧客の視点に立つ姿勢が重要です。Bは共感と探求の入り口を両立しており、顧客の価値基準を探る起点として最適です。

AやDは一方通行になりやすく、Cは詰問的に受け取られる可能性があります。

第2問

「価格より価値で選んでもらう」営業スタイルを実践する際に、最も避けるべき提案姿勢はどれか。

A. 顧客の目的や課題の背景まで深掘りし、提案の土台にする

B. 価格提示を商談の後半に持ち越し、先に価値を提示する

C. 競合の価格や機能と自社を比較し、優位性を論理的に伝える

D. 投資対効果の事例を交えて、定量的に「得」を説明する

正解:C. 競合の価格や機能と自社を比較し、優位性を論理的に伝える

解説:一見論理的に見える「比較提案」ですが、それは価格軸での競争構造を強めてしまう行為です。Cは一歩間違えると、「機能 vs 価格」や「安い vs 高い」の話になりがちです。

AやB、Dはいずれも顧客の文脈・成果に基づいた価値訴求型の提案姿勢であり、価値判断を価格から逸らす方向に働きます。

第3問

価値訴求を成功させるために、営業がヒアリングの中で最も注意すべき視点はどれか。

A. 顧客が求めるスペックや条件を網羅的にリストアップすること

B. 競合比較の観点を踏まえて顧客の購買基準を引き出すこと

C. 課題だけでなく、課題が解決されたときの意味を顧客自身に語らせること

D. 顧客の購買決定プロセスを正確に把握すること

正解:C. 課題だけでなく、課題が解決されたときの意味を顧客自身に語らせること

解説:価値訴求の本質は、顧客自身が「これは意味がある」と納得する状態を引き出すことです。Cはその状態を作る重要な働きかけであり、ヒアリング時の最重要ポイントとなります。

Aは条件収集に留まり、BやDも必要ですが価値意識の転換には直結しません。

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営業の基礎問題(基礎編 17)

第1問

顧客との信頼関係を構築し、価格以外の要素で選ばれる営業活動の前提として最も適切なものはどれか。

A. 商談のたびに製品紹介資料を一新し、情報の鮮度をアピールする

B. 顧客の個人的な関心事(趣味や家族)に積極的に踏み込む

C. 顧客の立場・業務内容・社内事情に寄り添った理解を深める

D. 難しい専門用語を用いて営業の専門性を印象づける

正解:C. 顧客の立場・業務内容・社内事情に寄り添った理解を深める

解説:価格よりも「信頼」や「安心感」で選ばれる営業は、まず顧客理解の深さが土台です。Cは顧客の組織的・業務的な背景に寄り添う姿勢で、信頼構築に直結します。

AやBは一時的な印象には有効でも、本質的な信頼には繋がりにくく、Dは逆効果になる場合もあります(顧客が理解できず不信感を抱く可能性)。

第2問

価格での比較を避け、競合との「差別化」を図る方法として最も有効なのはどれか。

A. 競合の価格を分析し、顧客に対してその差を正直に伝える

B. 顧客が重視する非価格要素(運用支援・対応スピードなど)に自社の強みを結びつける

C. 自社の標準仕様とオプションの切り分けを明確に説明する

D. 顧客にとっての費用対効果を電卓でシミュレーションしてみせる

正解:B. 顧客が重視する非価格要素(運用支援・対応スピードなど)に自社の強みを結びつける

解説:差別化とは「競合が提供しづらい価値で勝負すること」です。Bは顧客が重視する「非価格要素」に焦点を当て、自社の強みと自然にリンクさせる手法。これにより価格軸から話を逸らすことができます。

AやC、Dも説明的には有効ですが、「価格」の軸を前提にしたアプローチであり、比較構造から脱しきれません。

第3問

顧客が価格を第一に比較する傾向を持っている場合、営業として最も望ましい対応はどれか。

A. 価格勝負は避け、あえて商談を打ち切ることで自社の価値を守る

B. 一旦価格で比較させたうえで、安さの限界を説明して納得を得る

C. 顧客の目的・背景を掘り下げ、「そもそも何のための購入か」を再確認させる

D. 値引きの条件を交渉材料として使い、決裁を早める

正解:C. 顧客の目的・背景を掘り下げ、「そもそも何のための購入か」を再確認させる

解説:価格訴求型の顧客であっても、「目的」や「期待される成果」に意識を戻させることで、価格ではなく目的重視の判断基準に切り替えることが可能です。Cはその流れをつくる問いかけです。

Aは短絡的で機会損失の恐れがあり、BやDは価格軸を強化してしまう危険性があります。

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営業の基礎問題(基礎編 16)

第1問

価格で選ばれない営業において、顧客の意思決定を価格以外に向ける最も有効なアプローチはどれか。

A. 製品の機能とスペックの優位性を数値で比較する

B. 提案書に競合他社の価格情報を盛り込む

C. 導入後の変化と成果を、顧客の言葉で具体的に描き出す

D. 顧客の値引き要求には原則応じず、その理由を明確に伝える

正解:C. 導入後の変化と成果を、顧客の言葉で具体的に描き出す

解説:価格からの脱却には、「導入後にどう変わるか」という未来のベネフィットを顧客自身にリアルに想像させることが最も有効です。

Cは、「顧客の言葉で変化を描く」ことで納得感が高まり、価格以上の価値を見出してもらえる手法です。AやBは比較やスペックの話にとどまり、「価格との見合い」の発想から抜け出せません。

第2問

価格競争を避けるためのヒアリングとして最も効果的なのはどれか。

A. 「今回のご予算の上限を教えていただけますか?」

B. 「この製品で重要視されているスペックは何ですか?」

C. 「現状で最も業務に支障が出ているポイントはどこですか?」

D. 「これまでに検討された他社製品と比較してどうですか?」

正解:C. 「現状で最も業務に支障が出ているポイントはどこですか?」

解説:「業務に支障が出ているポイント=顧客の顕在課題」に踏み込むことで、価格よりも課題解決の優先度を高められます。

AやBは条件交渉レベルの話であり、価格主導の流れに巻き込まれやすくなります。Dは競合比較に偏るため、差別化ではなく競争に繋がる恐れがあります。

第3問

価格で選ばれない営業を実践する営業パーソンの特徴として、最も適切なものはどれか。

A. 常に自社商品の優位性を一貫して伝え続けている

B. 顧客の要望に柔軟に対応し、価格調整にも前向きである

C. 顧客の業界構造・競争環境・経営課題を踏まえて提案を組み立てている

D. 初回提案時に価格を先に伝え、余計な交渉を減らしている

正解:C. 顧客の業界構造・競争環境・経営課題を踏まえて提案を組み立てている

解説:「価格で選ばれない営業」は、商品軸ではなく“顧客軸”で提案を構築するのが鉄則です。Cは顧客の全体構造や経営課題に入り込み、本質的価値を提供する姿勢を表しています。AやDは営業側の都合や視点が強く、Bは柔軟に見えて価格依存型に傾く危険があります。

営業の基礎問題(基礎編 15)

第1問

提案型営業において、顧客が価格に難色を示した際に最も望ましい対応はどれか?

A. 即座に価格を再提示し、競合に負けないことを優先する

B. 「ご予算に合わないようなので再提案します」として一度撤退する

C. 顧客の投資対効果や課題解決価値を再確認し、価格の妥当性を共有する

D. 他社の価格動向や業界相場を引き合いに出し、説得にかかる

正解:C. 顧客の投資対効果や課題解決価値を再確認し、価格の妥当性を共有する

解説:提案型営業では「価格」そのものではなく、「対価として得られる価値」への納得感が受注のカギとなります。価格への反応は「納得していないサイン」であり、価値(ROI・効果・独自性)を再説明して価格=価値であると再認識させるのが営業の役割です。

第2問

顧客から「この内容でこの金額は社内で通せない」と言われたとき、提案型営業として最も建設的なアプローチはどれか?

A. 顧客のために仕様を削ってでも価格を下げる案を即座に出す

B. 顧客の意思決定プロセスをヒアリングし、社内で通すための材料を一緒に考える

C. 価格を正当化する自社の論理資料をそのまま顧客に送付する

D. 予算の少ない案件と見なしてフォローの優先度を下げる

正解:B. 顧客の意思決定プロセスをヒアリングし、社内で通すための材料を一緒に考える

解説:提案型営業では、価格を下げるのではなく、顧客の社内意思決定を支援することが大切です。そのためには「誰が稟議を通すのか」「どんな資料が必要か」「どのようなリスクが見られているか」などを共有し、顧客と“社内説得の共同作業”を行うのが効果的です。

第3問

提案内容の価値に自信があるが、顧客から「他社より高いから再考してほしい」と言われた場合、最も戦略的な価格交渉アプローチはどれか?

A. 顧客の要望に応じ、価格を下げて早期受注を目指す

B. 自社の強みを列挙し、価格差に見合う差別化要素を一方的に説明する

C. 顧客が比較している基準を質問し、その価値基準の再定義を試みる

D. 他社の弱点を指摘し、自社の正当性を攻撃的に伝える

正解:C. 顧客が比較している基準を質問し、その価値基準の再定義を試みる

解説:提案型営業の本質は、顧客の意思決定基準そのものに働きかけることにあります。単なるスペックや価格比較ではなく、「なぜそれが安いと感じるのか」「何を重視して判断しているのか」など、比較軸の定義そのものを揺さぶることで、価格交渉を「価値対価の対話」に昇華できます。

営業の基礎問題(基礎編 14)

第1問

中長期的な取引が見込める新規顧客から、「初回は試しだから安くして」と言われた場合、営業として最も望ましい対応はどれか?

A. 試しとはいえ初回から値引きすると、その後の単価交渉が難しくなるため拒否する

B. 初回のみ値引きに応じて、以降は正規価格で交渉すると約束する

C. 値引きには応じるが、代わりに成功事例として社名や導入効果を紹介できるよう条件をつける

D. 初回なので特別に値引きすると伝え、社内承認を取らずに対応する

正解:C. 値引きには応じるが、代わりに成功事例として社名や導入効果を紹介できるよう条件をつける

解説:新規顧客の初回値引き要請はよくありますが、安易な対応はその後の価格基準を下げ、継続的な利益確保を困難にします。値引きの対価として「事例活用」「紹介文の提供」「追加発注」など営業戦略上のメリットを条件化することで、価格を下げても戦略的価値を確保できます。

第2問

顧客が「この金額でないと稟議が通らない」と言ってきた際、営業として最も検討すべき対応はどれか?

A. 顧客社内の稟議フローは営業の関知外なので、方針は変えない

B. 稟議を通すために使える比較資料や導入効果のシミュレーションを提供する

C. 稟議の金額枠内に収まるように、仕様や内容を見直し価格を調整する

D. 金額に合わせて割引を提示するが、稟議書への添付資料を指定する

正解:B. 稟議を通すために使える比較資料や導入効果のシミュレーションを提供する

解説:営業は「顧客の稟議が通ること」をゴールとせず、「価値が伝わった結果として稟議が通る」状態を支援する必要があります。価格で合わせる前に、稟議を通すための論理や資料提供によるサポート(例:ROI試算、他社事例)を行うことが、信頼を得つつ価格維持も可能にする鍵となります。

第3問

継続取引中の顧客から突然「最近業績が厳しいので割引してほしい」と言われたとき、最も適切な営業の対応はどれか?

A. 長年の取引関係を重視し、今回は特別対応として値引きする

B. 値引きに応じない代わりに、支払条件や納期調整などの柔軟対応を検討する

C. 顧客の業績が改善するまで、契約を一時停止する方向で調整する

D. 経営判断であるため、社内の価格決裁者にすぐエスカレーションする

正解:B. 値引きに応じない代わりに、支払条件や納期調整などの柔軟対応を検討する

解説:長期取引の顧客でも、業績理由の値引き要請には単純な値下げではなく「条件変更による支援」が望ましいです。支払サイト延長、分割納品、納期猶予など、コストを抑えつつ相手の負担を軽減する方法を提示することで、価格維持と関係維持の両立を図れます。

営業の基礎問題(基礎編 13)

第1問

顧客から「他社の方が安い」と強く値引きを要求された際、営業として最も適切な初期対応はどれか?

A. 他社の提示価格を聞いたうえで、それ以下の価格を即答する

B. 「弊社は品質が違うので」と値引きに応じず差別化だけを主張する

C. 他社との比較で顧客の評価基準を探り、重視する価値を確認する

D. 値引きが難しい旨だけを伝え、見積書を再提出する

正解:C. 他社との比較で顧客の評価基準を探り、重視する価値を確認する

解説:顧客の「価格」への反応の背景には、コスト意識・他社との比較・不安感・駆け引きなど多様な意図がある。そこで安易に値引きや差別化だけで返すのではなく、まずは顧客の評価軸(重視している価値)を探り、「なぜその価格が妥当だと思うのか」「どこを比較しているのか」などを丁寧に聞き出す必要がある。

第2問

BtoB商談において値引きを求められた際、最も長期的な利益確保に寄与する営業の対応はどれか?

A. 値引きに応じる代わりに、追加受注や契約期間延長などの条件交渉を行う

B. 値引きに一切応じず、価格の正当性を繰り返し主張する

C. 上司に相談し、判断を委ねることで顧客との対立を回避する

D. 値引きに応じてスムーズに契約を締結し、信頼を獲得する

正解:A. 値引きに応じる代わりに、追加受注や契約期間延長などの条件交渉を行う

解説:値引きに応じる場合でも「対価交換の原則」に基づいて対応することが重要。価格だけを下げると利益率が減少し、取引の継続性や信頼性が低下するリスクがある。一方、追加発注や支払い条件の改善など、相互メリットのある条件交渉を行えば、長期的な利益と関係性の維持が期待できる。

第3問

ある顧客が「上司から価格をもっと下げろと言われていて…」と相談調で値引きを要請してきた。最も信頼構築につながる対応はどれか?

A. 同情的に話を聞き、特別に割引対応することを約束する

B. 上司への説明に使えるよう、自社の価値・実績を論理的に整理して提供する

C. 値引きが難しいと即答し、話題を切り替える

D. 他社の価格や条件を詳しく聞き出し、情報収集に徹する

正解:B. 上司への説明に使えるよう、自社の価値・実績を論理的に整理して提供する

解説:顧客自身も社内調整に苦慮している状況では、単なる値引きではなく「社内説明に使える材料」を提供することが、営業としての信頼構築につながる。価格に見合う価値、実績、他社事例などを整理し、顧客が自信を持って社内説明できるよう支援する姿勢が、関係性を深めるうえで極めて効果的。

営業の基礎問題(基礎編 12)

第1問

以下のうち、顧客とのラポールが形成されている兆候として最も適切なのはどれか?

A. 顧客が提案に対して一切の反論をせず、黙って話を聞いてくれる

B. 商談中に顧客が突然、競合他社の悪口を言い始めた

C. 顧客が業務に関係のない雑談やプライベートの話題を自発的に持ち出す

D. 顧客からの質問が一切なく、こちらの話を終始メモしている

正解:C. 顧客が業務に関係のない雑談やプライベートの話題を自発的に持ち出す

解説:ラポールが形成されると、顧客は心を開き、商談とは直接関係のない話題や価値観、感情を共有し始める傾向があります。これは信頼と心理的安全性が確保されている証拠です。AやDは一見好反応に見えても「関心がない」可能性もあり、要注意です。

第2問

顧客が「この前の話、家に帰ってからも考えていて…」と語った場合、ラポールの視点で捉えるとどう解釈すべきか?

A. 自社の提案内容が複雑で、理解されていない可能性が高い

B. 顧客が自分との関係性に対して、一定の信頼を置いている状態と考えられる

C. 商談が長引いたために顧客にストレスがかかっていた

D. 顧客が単に悩みやすい性格なので、特に意味はない

正解:B. 顧客が自分との関係性に対して、一定の信頼を置いている状態と考えられる

解説:「帰宅後も考えていた」という発言は、商談内容や営業担当者の言葉が印象に残り、顧客の中で個人的な意味を持った状態を示しています。これは、営業担当者が信頼される相手として顧客の思考や感情に影響を与えている証拠であり、ラポールが進行していると考えられます。

第3問

ラポールを深める過程で、営業担当者が「自己開示」を行う際の注意点として最も適切なのはどれか?

A. 顧客の自己開示を引き出すには、先に自分の情報を多く話すべきである

B. 自己開示はビジネスにふさわしくないため、避けたほうがよい

C. 自己開示は、相手との関係性の段階に応じて適度に行うべきである

D. 自己開示をすると、商談の本筋から外れるため時間の無駄になる

正解:C. 自己開示は、相手との関係性の段階に応じて適度に行うべきである

解説:自己開示は、ラポール形成において効果的な手法ですが、「どのタイミングで・どの深さまで開示するか」が非常に重要です。相手との関係性が浅い段階で重すぎる話題を出すと、逆に距離を置かれる可能性があります。Cのように段階を踏んで適切な量と内容で開示することが信頼につながります。

営業の基礎問題(基礎編 11)

第1問

以下のうち、営業初期におけるラポール形成の戦略として最も効果が高いとされるのはどれか?

A. 商品やサービスの強みを丁寧に説明し、顧客の理解を促す

B. 顧客の業界動向や最近の取り組みに言及し、関心と理解を示す

C. 初回訪問ではなるべく商談を短くまとめ、次回のアポイントに注力する

D. 競合と差別化した提案内容を初回から伝えて主導権を握る

正解:B. 顧客の業界動向や最近の取り組みに言及し、関心と理解を示す

解説:ラポール形成においては「自分(顧客)に関心を持ってくれている」と相手が感じることが重要です。Bのように、顧客のビジネス背景や取り組みに触れ、関心とリサーチ力を示すことが、共感や信頼の第一歩になります。AやDは説明主体になりすぎると、一方的に感じられて逆効果になることもあります。

第2問

以下の顧客対応のうち、「共感」を活用してラポールを深めていると言える行動はどれか?

A. 顧客の課題に対して、すぐに自社ソリューションの機能を説明した

B. 顧客が現状の悩みを話したとき、「その気持ち、よくわかります」と共感を言語化した

C. 顧客が自分と違う意見を述べたときに、事実ベースで論破した

D. 顧客が話している最中に話題を転換し、目的の商材紹介に移った

正解:B. 顧客が現状の悩みを話したとき、「その気持ち、よくわかります」と共感を言語化した

解説:共感の言語化は、相手に「話を理解しようとしてくれている」「心情に寄り添ってくれている」と感じさせ、心理的距離を一気に縮める強力なラポール技術です。特にBのように、共感を言葉にして返す行動は信頼の土台になります。AやC、Dは一見効率的でも、顧客の心理を無視しており逆効果となる可能性があります。

第3問

顧客とのラポール構築において、「ミラーリング(相手の言動を合わせる)」の注意点として最も適切なものはどれか?

A. 相手の話し方をすべて真似ることで、自然と好意を得られる

B. 相手の身振りや言葉をそのまま模倣することで、短期的な信頼関係が築ける

C. 相手の表現やペースに自然に調和することが重要であり、過剰な模倣は逆効果になり得る

D. ミラーリングは営業において使うべきではない、信頼の基盤にはならない

正解:C. 相手の表現やペースに自然に調和することが重要であり、過剰な模倣は逆効果になり得る

解説:ミラーリングは有効なラポール形成手法ですが、やりすぎは「わざとらしさ」「不自然さ」につながり、逆に相手に不快感を与えることがあります。大切なのは、「自然に」「相手のリズムに調和する」こと。声のトーン、スピード、話題の展開などをさりげなく合わせることで、相手は「この人は話しやすい」と感じやすくなります。

営業の基礎問題(基礎編 10)

第1問

顧客に対して「初月は無料です。2か月目以降、自動的に有料プランに移行します」と説明したサブスクリプション型提案で、解約率が非常に低かった。この現象に最も深く関わる行動経済学的効果はどれか?

A. サンクコスト効果

B. デフォルト効果

C. アンカリング効果

D. 所有効果(エンダウメント効果)

正解:B. デフォルト効果

解説:デフォルト効果とは、「選択しないと自動的に選ばれる選択肢(初期設定)」がある場合、多くの人がそのまま選択してしまう傾向のこと。無料から有料への自動移行は、顧客が「解約」という能動的行動を取らない限り継続されるため、高い維持率につながります。

第2問

営業担当者が「◯◯プランは本来12万円ですが、今回に限り8万円で提供できます」と提示したところ、顧客は8万円を「お得」と感じた。このとき、顧客が影響を受けている可能性が高いのは次のうちどれか?

A. フレーミング効果

B. アンカリング効果

C. ヴィヴィッドネス効果

D. ステータスクオーバイアス

正解:B. アンカリング効果

解説:アンカリング効果とは、先に提示された数値や情報(ここでは12万円)が、その後の判断の基準(アンカー)となってしまう現象。実際には8万円が妥当かどうかは関係なく、「12万円→8万円」という対比で「割安」に感じる心理が働いています。

第3問

顧客が「もうここまで資料を読んで、検討に時間を使ったのだから」と言って契約を決断した場合、最も強く影響している心理メカニズムはどれか?

A. 損失回避性

B. 一貫性の原理

C. サンクコスト効果

D. ヒューリスティックバイアス

正解:C. サンクコスト効果

解説:サンクコスト効果(埋没費用効果)とは、「すでに費やした時間・労力・金銭をムダにしたくない」という思考が働き、非合理な意思決定をしてしまう心理効果です。営業では、事前に顧客にある程度の“思考負荷”をかけることでクロージングにつなげる戦略にも応用されます。

営業の基礎問題(基礎編 9)

第1問

営業担当者が、2つのプラン(Aプラン:機能少ないが安価/Bプラン:高機能で高額)を提示したうえで、あえて機能も価格も中途半端な「Cプラン」を追加で提示したところ、多くの顧客がBプランを選ぶようになった。このとき顧客行動に影響を与えているのはどれか?

A. アンカリング効果

B. 極端回避性

C. デフォルト効果

D. 誘引効果(おとり効果)

正解:D. 誘引効果(おとり効果)

解説:誘引効果(おとり効果)とは、ある選択肢を相対的に魅力的に見せるために、わざと劣った第三の選択肢を提示することで、特定の選択に誘導する現象です。営業では「本当に売りたいプラン」に意図的に注目を集めるためのテクニックとして使われます。

第2問

営業担当者が保険商品の提案時に「この保険に加入しない場合、事故時に◯◯万円の損失が出る可能性があります」と説明したところ、加入率が大幅に上がった。このとき働いている行動経済学上の原理はどれか?

A. 利得回避性

B. 損失回避性

C. フレーミング効果

D. ナッジ理論

正解:B. 損失回避性

解説:損失回避性(ロスアバージョン)とは、人間は「得をすること」よりも「損をしないこと」に対して強く反応する傾向があるという心理特性です。営業では、リスクや逸失利益を具体的に示すことで意思決定を後押しするテクニックとして使われます。

第3問

ある営業チームでは、見積もりを3日以内に提出した顧客には特典を付けるという「期間限定インセンティブ」を設けたところ、意思決定スピードが大幅に上がった。この施策が活用している行動経済学の理論はどれか?

A. フレーミング効果

B. メンタルアカウンティング

C. ナッジ理論

D. 時間割引率の影響

正解:C. ナッジ理論

解説:ナッジ理論は、人々の選択を「自由に保ちながらも望ましい方向にそっと後押しする」アプローチです。営業では、意思決定の“面倒さを減らしたり、“今動くと得”という選択環境を設計することで、自然な行動変容を引き起こすことができます。

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